ZOZO前澤社長が、Twitterで1億円をバラマキました。
フォロワーが500万人以上ふえ、トレンド1位も獲得。
そしてなにより、金にむらがる群衆と、それを嫌悪する人間の地獄をみせてくれました。
「お年玉企画ってなに?」
2019年1月5日、ZOZO前澤社長が「お年玉企画」を発表しました。
- 個人で支払う
- 100名に100万円(総額1億円)
- フォローとリツイートしてね
- 受付は1月7日まで
- 発表は1月8日
- 当選者には直接DM
- 数時間かけて1人ずつ
結果、「フォロワー約50万人⇒約600万人」になりました。
10倍以上の増加。お笑い芸人の有吉さんにつぐ日本人第2位です。
もちろん、純粋に600万人というわけではなく、「複垢」や「ボット」も含まれているとはおもいます。
「偽物がでてるって?」
お年玉企画に便乗して、「前澤社長の偽物」が現れています。
目的は、「イタズラ」と「個人情報あつめ」がメインだとおもいます。
けっこう多くのユーザーがひっかかっているみたいですね。「バラマキに群がる人間なんてリテラシーのないバカばかりだから、カンタンにだませるだろう」────そんな感じかもしれません。
「フォロワーすぐ減るでしょww」
一度ふえたフォロワーは、そうカンタンにはへらないとおもいます。
そりゃ多少はへるでしょうけど、500万人以上ふえたんですよ。仮に数十万人へったところで、誤差レベルでしょう。
これで100万人以上へるっていうんだったら、Twitter民の記憶力がニワトリ以下じゃなかったんだとむしろ感心します。
「リツイート数が世界記録更新!?」
お年玉企画のリツイート数が、世界記録を更新しました。
今までの世界最高記録は、アメリカの高校生カーター・ウィルカーソンさんの、「355万RT」でした。内容は────ファストフード店のウェンディーズ公式に「ナゲット1年分もらうには何回RTされればいい?」とたずね、ウェンディーズ公式が一言「1800万回」と答えた件の、スクリーンショットでした。
▼ 参考
単なるウェンディーズのマーケティングですが、高校生に1年分ナゲット食わせるために多くのTwitter民がのったのも事実です。ツイートは2017年4月6日。
一方、前澤社長は「550万RT」と、大幅に更新しました。
「しがない高校生にナゲット食べさせてやりたい」というお祭りに、「100万円ほしい!」っていう個人のどうしようもない金欲が勝った瞬間でした。
食欲より、金欲。
「どういうやつらが企画に参加したの?」
企画に参加したのは、「若い世代中心」のようです。
金もリテラシーもプライドもない若者を中心に、「お祭り感覚」でリツイートした。ソシャゲのお年玉企画にのっかる感情と、そう大差はないとおもいます。
「前澤社長からDMきてねーーー!」っていう嘆きツイートが、とてもおおい。ガチで媚び売って萎えてるユーザーもいるでしょうけど、大半は「ギャグ」のつもりで言ってるわけです。
あとはもう、いつもの「Twitter大喜利」開催です。
まとめ 「群集心理の社会実験」
今回の1億円バラマキ企画は、とても有意義な「社会実験」だったとおもいます。
「金」の力で、Twitter民の醜さと卑しさを極限まで浮き彫りにした。偽物が登場したり、当選者に群がったり、企画に激しく嫌悪したり────金、金、金、金────金でおこりうる人間のあらゆる負の感情が、ミニマムに凝縮されている。
そしてべつに、だれかが必要以上に傷つくわけでもない。
100万円は、「手のとどく範囲の金額」です。1年働けば庶民でもかせげる。宝くじで他人があたっても「いいなー」くらい。「ぶちのめしてやりたいほど嫉妬するしムカツク!」ってことには、あまりならないとおもいます。前澤社長本人へはわかりませんけど。
「1億円で、フォロワー500万人以上と話題性を買い、群集心理の社会実験を行った」────個人的にはむしろ「お安いのでは……?」と感じてしまうメリットです。
「日本型〝成金〟の極み」を、前澤社長と、それに群がる人間たちにみた気がします。
とても興味深かった。ありがとうございました。