【再販制度にトドメ】Amazonが書籍を「買い切り」方式にした意味は?

 

Amazonが「日本の悪習」にメスをいれました


書籍を「買い切り方式」へ。2019年内に施行します。

 

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「買い切り方式って?」

 

書籍には主に「買い切り」と「委託」の2つの売り方があります。


カンタンにいうと────


委託は「返品できる」


買い切りは「返品できない」


いまの日本の書店では「委託」が主流です。

 

 

「委託と買い切り、どっちがいいの?」

 

「委託のメリットデメリットは?」

 

委託のメリット

 

  • (一見)書店が損をしにくい
  • 取次と出版社が「書店をコントロール」できる
  • 本を「ニセ金化」できる

 

委託のデメリット

 

  • 返品率が高いと業界がまわらない

 

委託は「低い返品率ありき」の売り方です。


書店にしてみたら、「売れなくてもまぁ、返品できるからいっかww」みたいな感じです。「再販制度」と合わさり、完全な「ぬるま湯」と化していた。


ですが当然────返品率が高ければ、委託システムは崩壊します。

 

 

「買い切りのメリットデメリットは?」

 

買い切りのメリット

 

  • 出版社が返品に苦しめられない
  • 書店が責任をもって本を売る

 

買い切りのデメリット

 

  • 売れなかったら書店の損

 

買い切りは「返品不可」の売り方です。


売れなかったら書店の損になります。


岩波書店」が代表的な買い切り系出版社でした。書店としては「返品できないのキツいなぁ……」って感じですが、岩波書店の本はよく売れるので回っていた。「返品不可」は岩波書店の「本への自信のあらわれ」でもあったようにも思えます。


ハッキリいって「買い切り」のほうが、「健全な売り方」です。

 

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「再販制度って?」

 

再販制度は、日本の出版業界が生んだ「既得権」です。


日本の出版業界は、いままで再販制度というルールに守られていた


再販制度はカンタンにいうと、値段を変えられないルール


「全国共通の値段」にすることで、出版文化をまもり、小さな書店をまもる────そんなウソ八百で塗りかためられたぬるま湯ルールです。


まず再販制度と委託システムのせいで、「本のニセ金化」が進みました。本が安売りされず、返品もし放題。日本の出版社は、赤字を埋めるために出版しまくってニセ金で補填するという────ある種の「自転車操業」の手口で生きながらえてきた。


結果、ぬるま湯がぐつぐつ煮えはじめているのに、それに気づかず、いまごろ「やべー!」って叫んでるマヌケなカエル状態におちいっているわけです。


売れないものを安くできない」────自分たちを守るためにつくったルールに、いま苦しめられている。


そして多くのヒトビトが「再販制度そろそろやめたほうがよくね……?」といっているのに、一部の底抜けにマヌケがカエルが「いーやまだまだいける!」とのたまっている。


日本の出版業界は、再販制度とともに「ゆでガエル」になろうとしている。

 

 

「つまり……Amazonが買い切りをはじめるのは……」

 

Amazonは、日本の再販制度をつぶそうとしている。


本の価格設定も検討」といってますから、そういうことです。


一定期間は出版社がきめた価格で販売するが、売れのこった場合は出版社と協議して値下げも検討する」────かなりマイルドな言い方ですが、つまり「再販制度を形骸化」させたいわけです。


すこしずつ、すこしずつ、再販制度の首を絞めあげていく。


取次業界は阿鼻叫喚だとおもいます。


日本の「取次会社」は、再販制度というクソルールのおかげで生きながらえてきた既得権益そのものです。取次会社は、Amazonにしたらジャマで仕方がない存在


出版社としても、Amazonと「直接取引」をはじめているあたり、取次会社を見かぎりはじめている。


ですが────日本の出版業界はマヌケなカエルなので、ギリギリまでAmazonの意図には気がつかないかもしれません。

 

 

まとめ 「マヌケなカエルしか困らない」

 

日本の出版業界は、すでに衰退産業です。


本に高い価値をかんじるヒトビトが、減っている。こんな時代だからこそ、「売れないものは安く売る」という当然の売り方が必要です。


Amazonはただ、「日本特有の狂ったルールにメスをいれた」だけ。


消費者にはメリットしかないです。Kindleみたいに「本の安売りセール」を体験できるかもしれない。




ただし────


どう転んでも出版業界の未来は明るくない」というのが、個人的な印象です。


「読書」をする若者なんて、いまほとんどいない。ネットの長文すら読まない。


再販制度が是正されようが、日本の出版業界が健全化しようが、出版文化はひたすら縮小していくのみ────そうおもえてならないです。


せめて「健全なシステム」で後世にのこってくれることを祈ります。

 

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