スノーデン氏の告発は、アメリカの裏側をみせてくれました。
9.11事件でつくられた「愛国者法」のもと、アメリカ政府はテロリストだけでなく、他国の経済活動や、アメリカ国民の生活を「監視」するようになった。
アメリカは「自由の国」ではなく、ビジネスのためあらゆるネットユーザーのプライバシーを侵害する、「監視社会そのもの」になってしまった。
もちろん、これは国家機密です。告発したスノーデン氏は政府に告訴され、アメリカの手が届きにくいロシアに亡命した。
そのへんの詳しい話は、現在(2018年)Amazonプライムビデオでも公開中の映画『シチズンフォー』や『スノーデン』でも語られてます。ノンフィクションのサスペンス映画としても秀逸なのでオススメです。
「ファーウェイ問題って?」
アメリカが、「中国のファーウェイは危険だからみんな使うな!」といってるやつです。
ファーウェイ(Huawei)製品には「バックドア」がしこまれていて、中国政府が使用者のプライバシーを覗けるんだとか。
もしそれが事実なら、アメリカ政府関係者がファーウェイ製品をつかうのは、国家の安全上よろしくないですよね。
そしてもっとも危険視されているのが、「5G」のインフラ整備。
3G回線とか4G回線とか、スマホもってるヒトならだれでも聞いたことあるとおもいます。5Gはその進化版。カンタンにいうなら、今までよりめっちゃ速い。
ファーウェイ社は、5Gのインフラを各国ですすめようとしてました。
でもアメリカが「まった!」をかけて、「ファーウェイ規制運動」をすすめていった。
5Gを制するものはネットワークを制する。ファーウェイ社がもし5Gのインフラを各国ですすめてしまえば、あらゆるネットの情報が中国政府につつぬけになってしまい、タイヘンなことになる!────とアメリカが言ってるわけです。
結果、イギリスやニュージーランドやオーストラリアが「ファーウェイの排除」を決定。
またカナダでは、「経済制裁中のイランに密輸をおこなった」として、ファーウェイの副社長が逮捕されました。
ファーウェイ、四面楚歌です。
「アメリカもやってるじゃん」
はい、アメリカもやってます。
アメリカ政府は、「愛国者法」を盾に、GoogleやAppleやFacebookやMicrosoftやAmazonといった、なだたる米国メガカンパニーのサーバーに侵入(あるいは協力しあって)、テロリストだけでなく、他国のビジネスマンや自国民を監視しつづけていた────
先述したスノーデン氏の告発のとおりです。
仮に中国が「黒」だとしても、同様にアメリカも「黒」。
あとはもう、好みの問題ですよね。「左に自由を奪われるか、右に自由を奪われるか」、そのちがいだけ。すきなほうをえらぼう。
これは、中国とアメリカの「情報戦争」です。
「左と右、どっちに支配してほしい?」。中国とアメリカの二大国家が、うすら笑みで他国をにらんでいる状況です。
「日本には関係ない、よね……?」
日本に関係ないわけない。
戦後、日本は「アメリカの半属領」という微妙な立場をキープしています。
ただ同時に、「すぐ左隣」には中国大陸がある。北朝鮮もある。地理的にちかすぎる。両国とも「アメリカの敵」です。だけど中国は、日本にとって重要な貿易国でもある。
「日本くんは、どうすんの?^^」
日本も、中国とアメリカに睨まれている。影響ないわけない。
まとめ 「どっちがイイの?」
中国もアメリカも、ネットユーザーのプライバシーを侵害しています。
ネット時代、もはや「プライバシー」は「自由」と同義です。両国とも、ネットユーザーから自由を奪っている。監視社会は、人間の思想を萎縮させます。
両方とも、「自由の敵」です。
でも、どちらかを選ばなければいけない。「中庸」なんて存在しない。経済大国1位と2位に、あらがえる国なんてない。ないですよね?
ちなみに自分は、スマホはHTCをつかい、スマートウォッチはファーウェイ、お買い物はAmazon、周辺機器はエレコム、検索はGoogleをつかってます。
台湾だろうが中国だろうがアメリカだろうが日本だろうが、便利だったらつかいます。
「プライバシー? 個人には関係ねーだろ」。そんなふうにおもってます。危機意識のひくい、凡庸なネットユーザーのひとりです。
今回の件、1ネットユーザーとしての意見を書くなら──
「政治じゃなくて技術で勝負しろよ」
5Gの技術力はファーウェイのほうが上なんだろ?
だったらそっち使いたいよ。スゴイほうがいいよ。基地局もすでにアメリカの10倍あるんだろ? 文句があるならアメリカ企業がもっとスゴイのつくってくれ。便利だったらそっち使うから。
技術で勝てないことを、政治で勝とうとしたら、ITの終わりでは。
統括としては、「政治ってクソメンドウだな」とおもいました。