Tumblrが、アダルトコンテンツの完全排除を決定しました。
「なんだTumblrか。ほかのSNSつかってる自分には関係ないね」────とはいかないのが、今回の問題です。
まちがいなく、今後ほかのネットサービスにも影響します。あるいはすでに影響がではじめている。
この記事の目次
「そもそも、Tumblrって?」
Tumblrは、「メディアミックスブログサービス」です。
カンタンにいうと、ブログとSNSのキメラ。ブログのように記事がかけるし、Twitterのようにユーザーをフォローできる。ポートフィリオとしてつかっているユーザーもおおい。
また、「交流しなくていいSNS」という側面も、人気の理由でした。
日本人にはあまりなじみのないサービスですが、ユーザー数は4億人以上(2018年時点)。Twitterが世界でオワコン化しているうちに、いつのまにかTumblrが抜き去っていました。
参考
「規制の内容は?」
詳しくは公式発表をみてください。
要約すると、
- 12月17日より適用
- 成人向けブログは削除
- セーフモード削除
- 機械学習には時間がかかる
- ポリシー違反は通報してね
急ですね。
しかも時間がきたら、問答無用で削除です。
「なんでアダルト禁止になったの?」
目下の理由は、「App Storeでアプリが削除されたから」。
Apple社は、アダルトコンテンツに厳しいです。TumblrはアダルトコンテンツOKだったので、アプリの削除はむしろ「いまさら?」という感じですが。
Tumblrは、アプリ復活のために、今回の決断をくだすしかなかった。
「これ、Tumblrの存在意義なくならない?」
Tumblrを、アダルトサイトとして利用していたユーザーはおおいです。
イラストレーターがポートフィリオとして利用していることもあり、そういうイラストが集まりやすい場所だった。
英語圏最大級のソーシャルニュースサイト「Reddit」を覗くと、移住先をかたっているユーザーもおおいです。日本の「pixiv」がよく代替としてあがっているのが印象的でした。
「Twitter民には関係ない……よね?」
Twitterにも関係あるとおもいます。
Twitterも、Tumblrほどではないですが、アダルトコンテンツをのせているユーザーがおおいです。なおかつ、App Storeにも登録されている。ユーザー数もTumblrにちかい。
TwitterとTumblr、ほとんど条件がおなじなんですよ。
今回の件は、「他のSNSへの警告」もふくまれていると感じました。
Apple社は、関連サービスにアダルトコンテンツがのることを善しとしません。徹底的に排除しようとします。ゾーイングではなく、完全排除です。
可能性はApple社だけではありません。Google社も、とくにGooglePlayストアは、アダルトコンテンツに厳しいです。かつてApple社に追随するように、ガイドラインを改変し、締め出しもおこないました。
ストアが、以前にもまして、アプリ内投稿まで監視するようになったと。
「pixiv」も、あやういんじゃないでしょうか。
「ちがう画像まで警告されてるんだけど!」
Tumblrへの抗議運動で、無差別通報がおこなわれています。
つまり悪意あるユーザーの嫌がらせです。「どうせTumblrは終わりなんだ。いっそこのまま潰れちまえ!」みたいな感じですかね。
また、Tumblrの判定アルゴリズムもポンコツなようです。
いずれ対策されるとおもいますが、混乱はしばらく続くでしょう。
まとめ「今までのTumblrが終わった日」
Tumblrは、ハッキリいって、アダルトサイトでした。
今回の件で、アイデンティティをうしなったとおもいます。そりゃ4億人もユーザーいますから、のこるにはのこるでしょうけど、今までとはまったく別モノでしょう。
個人的な意見をいうなら、「最初からAppStoreにのせていいようなアプリではなかった」。むしろいままで見逃されていたことが、ルールを遵守しているほかのデベロッパーたちへの背反行為だった。
Apple社によるTumblrへの処遇は、妥当。
たいするTumblrの対応は、判定アルゴリズムの不備からして、ユーザーの信用を大きくうしなうものだとおもいます。ただ、禁止はやむを得ない。
いまはモバイルファーストの時代です。アプリの排除は、SNSとして致命的だ。Tumblrはアイデンティティをうしなってでも、Apple社のいうことを聞くしかなかった。仕方がなかった。
ただ────クソみたいな流れだとはおもいます。
どんどんどんどん表現規制はすすんでいくでしょう。インターネットはGoogle・Apple・Microsoft・Amazonといった米国のメガカンパニーが支配しています。彼らがダメだといったものは、ぜんぶダメです。彼らがこの世界の神だ。
巨大なプラットフォームに依存するかぎり、表現規制はついてまわります。彼らのルールをうけいれて奴隷になるか、「ホームレス」になるか、その二択です。
つまり、どうにもならない。すべてはビジネスで判断されます。
アダルトコンテンツの禁止なんて、ただの前座です。
1ネットユーザーとして、自由がうしなわれていくことを、ただ虚しくおもいます。