勉強のために読書量を増やしてる。
警備員について勉強したくて『警備員日記』って小説を買ったんだけど、めっちゃ面白かったな。
主人公がドのつくクズで、しかもそれを自覚しておらず(読者を不快にさせるためにわざと言及してないのかもしれない。確かにそれはそれで人間性のリアリティは感じた)、多少は成長の描写あれど、最後までクズのままで、清々しいクズっぷり。
他の登場人物も、一癖も二癖もある警備員のおっちゃんたちばかりで、どこまでも人間臭い。不快さがたまらない。
著者さんの人間描写が秀逸でなければ、あまりのドクズオンパレードに投げていたかもしれない。とにかく人間描写が秀逸だった。
別に倫理観が自分とは違っていても、面白いものは面白い。
交通警備の業務の話で、本当は施設警備の業務について知りたかったんだけど、それでも勉強になった。
今のバイト先の警備員のおじさんと話してたら、この本のこと教えてもらって、ちょうど執筆中の小説に警備員を出す予定だったから勉強のために買った。
普段あまり読まないタイプの小説で、新鮮だったな。アマゾンとかコミュサイトのレビューを参考にするのもいいけど、人づてに聞くっていうのも面白い本と出会えるね。
書店でバイトしてたときは、小説好きの女の人とレジが一緒の時にオススメの小説とか聞いて、けっこう買っていた。
そう言えば少し前に、かえると剣鬼(既作サウンドノベル)関連で『かぶく者』っていうマンガをWEB拍手でオススメしてもらって、即日全巻購入して────めちゃくちゃ面白かったな。
全然知らないマンガだったから、オススメされなきゃずっと知らなかったと思う。
自分で読みたい本を調べるのもいいけど、他の人の読んでいる本を覗き見できるといろいろと捗るような気がする。ソーシャルリーディングの時代はよ。
あといま、アシモフのロボットシリーズを読んでる。
読みやすくて驚いてる。
アシモフがそもそも読みやすいんだろうけど、女性翻訳家の翻訳がすごく読みやすい。映画の字幕とかも女性翻訳家が秀逸だけど、小説の翻訳もそうなのかなーとなんとなく思った。
とりあえず男目線でモノを言えば、男は無駄な文章を修飾しすぎる。「削る」ってことを、男性作者はあんまりしたがらない印象。どこまでもダラダラとくどい描写を書きたがって、設定もひけらかしたがる。
人のこと言えない部分があるので、悩ましい。
崇拝する横山秀夫さんは違うけどな。あの人の文章は、まったく無駄なところがない。
俺もあんな文章を目指したい。でもちょっとトリッキーな書き方もしたい。
アシモフってコテコテのハードSF作家かと思えば、かなり文学チックな文章書くのね。哲学観とか倫理観とか伝わって来て、「人間の温度」をちゃんと感じる。
翻訳がマッチしてていなぁ。翻訳家は小野芙佐さんっていう方。めっちゃくちゃたくさんの翻訳してるのね。
ってかアシモフの生涯著作数が500以上ってマジけ? どんなバケモノだ。SF小説だけじゃなく、幅広いジャンルの本を出していたそうな。
和訳されているやつはさすがに500冊もないだろうから、興味あるもんからアマゾンでぽちってこうと思う。