「マルチタスクはよくない」
よく言われることです。
基本的には「マルチタスクだと集中するのがタイヘンだから、シングルタスクのほうがいいよ!」という意味で言われます。
ですが近年、マルチタスクがよくない理由が増えました。
以下、メモがてらまとめていきます。
マルチタスカーは手を広げたがる
マルチタスクは、2つ以上のプログラムを1台のコンピューターで同時実行することです。
人間でいうと「ながら作業」。
一つの作業に集中せず、アレコレ同時に作業することをいいます。そしてマルチタスカーは、作業単位どころか仕事単位でもマルチタスクをしがちです。
自分の才能をフル活用し、さまざまな仕事や事業に挑戦する────
イイコトかもしれません。ですがAIは評価しません。
AIはそもそも汎用性を理解できない
AIには汎用型AIと特化型AIの二種類がいます。
カンタンにいうと汎用型AIは「ドラえもん」、特化型AIは「ほか全てのAI」です。
つまり残念ながら、今の世界には特化型AIしかいない。人間を多方面から理解する能力はなく、限られた事柄の理解に徹しているわけです。
AIは汎用的のことを理解したくても、まだできない。
AIにとってマルチタスカーは、繋がりのないバラバラなコンテンツを無差別にばらまく意味不明な人間なわけです。
マルチタスクは評価を下げる
近年のGoogleのAIが顕著な例です。
Googleは「E-A-T」────Expertise(専門性) Authoritativeness(権威性) Trustworthiness(信頼性)を、検索でもっとも評価するという基準を打ちだしました。
これは3つの基準のように見えますが、実際はたった1つの基準です。
すべては専門性です。
権威性も信頼性も、専門性にあとからついてくるもの。Googleは一つの分野に特化したサイト(あるいはチャンネル)を最大限評価するようにしたわけです。
雑記ブロガーたちはこの新基準で大打撃をうけました。記事ひとつひとつの内容ではなく、サイト全体の専門性で評価されるようになってしまい、検索順位で特化型サイトにまったく勝てなくなった。
では、もともとある分野に特化していたコンテンツホルダーが、急に別ジャンルのコンテンツを流しはじめたらどうなるのか。
当然、評価は下がります。
YouTubeがわかりやすいです。あるジャンルに特化していたチャンネルが、急に別ジャンルの動画を投稿しはじめたら、チャンネルの評価は著しく下がります。しばらくして元のジャンルの動画を以前と同じように出しても、検索にのりづらくなります。
これはAIだけではなく、人間にも言えることです。もともと奇抜なキャラクター性で売っていたお笑い芸人が、とつぜん衣装を脱ぎ捨て、スーツ姿で正統派漫才をはじめたら────理解されるまで時間がかかるはずです。あるいは敬遠されてしまう。
ある意味Googleは、人間の価値観にAIを寄せてきた。
どうしてもマルチタスクがしたいなら
AIは汎用性を理解できない。人間にすら汎用性の理解はむずかしい。
基本的にはマルチタスクはやめるべきだと思います。
総合的にみて、あまりにも非効率です。人間はひとつの事柄に特化したほうがいい。人間は一種類の人間にしかなれない。
ですが、どうしてもマルチタスクがしたいなら────
棲み分けるしかないとおもいます。
ブログならドメインやカテゴリを分ける。YouTubeならチャンネルを分ける。Twitterならアカウントを分ける。
棲み分けをすれば、評価の低下を抑えられるでしょう。
ですが人間のリソースには限りがあります。複数プラットフォームで複数ジャンルに手をだせば、リソースが分散し、時間がかかります。
つまり棲み分けをしても、結局は伸びにくいということになります。
まとめ「能力は合算では評価されない」
今のAIは人間の「総合力」を評価できない。
棒グラフがずらーっと横並びしていても、縦の長さしかみていないわけです。均等に能力を伸ばすことがどんなに難しくても、AIにはそもそも興味がない。
評価されたければ、AIが興味ある分野で、特化するしかない。
「対人間」の場合はまた話が複雑になりそうですが、ある分野に特化した人間が評価されやすい傾向は対AIと同じだとおもいます。
人間の可能性は無限大だと信じたいですが、見せ方は絞ったほうがいいかもしれません。
今回は以上です。よきライフワークを────ではまたφ(・ω・ )
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