今までみた映画で、トップクラスに「壮大」なストーリーでした。
CG演出はひかえめですが、脚本とSF考証がとにかくスゴかった。
以下、映画『インターステラー』ラストシーンの考察を書いていきます。ネタバレ全開なのでご注意ください。
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この記事の目次
「あらすじは?」
Wikipediaがよくまとまってます。
▼ Wikipedia「インターステラー:あらすじ」
自分なりカンタンに書くなら、「元宇宙飛行士で子持ちのオッサンが、子どもをのこして人類のために宇宙へ旅立ち、〝時間のズレ〟で生じる様々なことに絶望しながら、事をなしとげる英雄譚」です。
ラストシーン考察
「エドマンズはすでに……?」
ラスト、アメリアはひとり、恋人のエドマンズが辿りついた惑星にいます。
日中。アメリアは瓦礫にうもれた宇宙船と、ボロボロに朽ちた星条旗の前にいます。恋人エドマンズのものです。ロボットの「CASE」が宇宙船を掘りおこしていますが、このときアメリアはすでに察していた。
残念ながらエドマンズはすでに亡くなっていました。時期と原因はハッキリしません。個人的には「時間のズレ」でアメリアよりはやく年老いて、往生したのではとおもいます。宇宙船の破壊具合からみて、睡眠装置もうまく働かなかったのかもしれません。
少なくともエドマンズは、惑星に到着して、星条旗を立てていた。
「エドマンズの墓はだれがつくった?」
アメリアが、石でできたエドマンズの「墓」をみつめています。
墓には彼のネームプレート。ネームプレートは歪んで古くなっている。アメリアの動作からして、このときネームプレートを置いたのだとおもいます。
- アメリアがエドマンズをみつけ、墓をつくった
- エドマンズのロボットが、はるか昔に墓をつくった
可能性はこの2つでしょうか。
インターステラーの宇宙飛行士は、ロボットを相棒にしています。エドマンズもロボットと共にいた可能性は高い。また当初の脚本では、「先駆けて出発し全滅した中国チームのロボットたちが、惑星で研究をつづけていた」というストーリーも存在したようなので、その設定の名残がエドマンズの惑星だったのかもしれません。
そして、アメリアは墓から目を背け────
「ヘルメットを外したということは?」
エドマンズの墓のそばで、アメリアはヘルメットを外します。
そしてアメリアは、「大気」の存在をたしかめ、哀しみとも喜びともつかない顔をする。エドマンズが見つけた惑星は、「人類が住める惑星」だった。
気になったのは、「アメリアがヘルメットを外したタイミング」です。
素直にシーンをうけとるなら、「このとき初めてヘルメットを外した」。到着して日にちが経っているなら、大気のある場所でわざわざ宇宙服をきている理由はありません。つまりアメリアは、惑星に到着したばかりだった。
決意の顔のアメリアは、背を向け、歩きだします。
「あの施設はいったいなに?」
アメリアが向かう先に、ライトアップされた施設があります。
まだアメリアが惑星に到着したばかりだとすると、それはエドマンズか、彼のロボットが開拓した施設とかんがえられます。
施設の中央には真新しい星条旗が立てられており、先駆けてCASEがテクテク歩いている。
この施設の正体は、すぐに察しがつきました。インターステラーの導入からして、それ以外ありえない。
農場です。
手前にあるビニールハウスがまさに。ライトアップしているのは、植物の成長を促進させるため。
つまりです。エドマンズは惑星で、ただ絶望していたのではなく、やがて来る人類のために農場をつくっていた。これは氷の惑星で狂気に囚われた「マン博士」との対比表現だとおもわれます。
アメリアは、エドマンズが残した農場のおかげで、これからも生きていける。
老いたマーフの語りで、「アメリアはこれから長い眠りにつく」といっていますが、もしかしたらアメリアは睡眠装置には入らず、惑星でひとり開拓をすすめる決意をしたのでは────ともおもいました。
「アメリアはひとりでプランBを?」
ラザロ計画の「プランB」。
地球をあきらめ、「新天地で種をふやす」というプランです。
地球人の受精卵を新天地へもっていき、そこで人類をまた増やすと。「若い女性」であるアメリアが選ばれたのも、代理母としての可能性をかんがえた結果だったとおもわれます。おそらく本人も察していた。
ただここで、主人公クーパーが救出へむかいます。
「クーパーはアメリアを助けられる?」
ここは、「想像にお任せする」ところですね。
クーパーは盗んだ宇宙船で、TARSと共にアメリアを救出しにいきます。そこでインターステラーは幕を閉じる。よい終わり方だとおもいました。
個人的には、クーパーとアメリアは再会できるとおもいます。
「時間のズレ」の問題がありますが、5次元の住人になって人類救って生還しちゃったクーパーにかかれば、まぁなんとかなるんじゃないですかね(楽観)
「なぜクーパーは宇宙船をぬすんだ?」
クーパーは、地球人を救った英雄です。
その彼がなぜ、コソコソ宇宙船をぬすむ必要があったのか。
それは────ムチャな計画を考えていたからではないかと思いました。
クーパーは、マーフの願いをききうけ、アメリアを助けにいきます。この時点で、彼の脳裏には「プラン」があった。そのプランは、他人に説明すれば止められるような、ムチャなプランだったのかもしれない。だからこそ宇宙船を盗んで、コッソリ出発した。
たぶんワームホールに突っこもうとしてるんじゃないですかね。
ワームホールをつかえば、時間のズレを最小限に、アメリアのもとへ辿りつける。
ただやはり、時間のズレは生じるのかもしれません。最初にエドマンズの惑星を選択肢から除外したのだって、時間のズレが大きすぎるからでした。
なので────クーパーとアメリアの年齢がほどよく近づき、アメリアが惑星で子どもを育てている状況で、再会するのかなと、勝手につごうよく想像しています。
そのほか感想
「TARSとの友情という癒やしシーン」
ロボットの「TARS」は、とても良いキャラだった。
主人公クーパーとロボットTARS、ふたりの皮肉まじりな掛けあいが、今作の数少ない「癒やしシーン」でした。
全編とても緊張感のあるストーリーです。TARSの存在は、視聴者にとっても、まさに「相棒」のように重要だった。
TARSが「板のカタチ」をしているのは、『2001年宇宙の旅』などに登場する「モノリス」のオマージュかなとおもいました。
動きもユーモラスでたのしかった。
まとめ 「壮大&壮大」
とにっかく「壮大」。それは文句ナシだとおもいます。
宇宙いって、ワームホールくぐって、5次元の住人になって、過去と交信して、未来を救って、生還して、また誰かを救うために旅立つ。
「伏線の回収」もすばらしかった。
インターステラー、近年まれにみるSF超大作でした。
今回は以上です。よき宇宙ライフを────ではまたφ(・ω・ )
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