個人で、シリーズものを育てたい。
メインとなるのは『キミはキメラ』という作品です。
すでに何年かつづけてきましたが、現状では、うまく育てられている気がしない。いろいろ整理するために、過程をまとめていこうとおもいます。
今回は「キミはキメラ」と「ここまでの経緯」について。
この記事の目次
「キミはキメラってなに?」
キミはキメラは、「人間」と「キメラ」の物語です。
略して「キミキメ」。
「無印版?」
はじまりは、2011年でした。
▼ 無印キミキメ(画力もだいぶ低かった)

当時、2年半ほど『クロノウサギ』という連載サウンドノベルをつくってました。
クロノウサギの2年半…………まぁ~長かった。で、「次回作はぜったいに短編にしよう!」と決意した。
そしてできたのが、無印キミキメでした。
執筆に2ヶ月、サウンドノベル化に2ヶ月、「計4ヶ月」というショートスケジュールでつくられた。
まさかこれが、のちに「30万ダウンロード」の作品になるとは、まったくおもってませんでした。
「R版ってどういう経緯で作られたの?」
無印版公開から数ヶ月後────
とあるベンチャー企業の社長さんに声をかけられました。
スマホ対応の「新型ノベルエンジン」をつくっていて、「ぜひ新型ノベルエンジンを使ってくれないか」と、依頼をいただいた。
そろそろスマホに進出したいとおもっていたので、すごくありがたい話だった。飲み屋でお話して、「ぜひ」とお返事させてもらった。
さいしょ、「この機会にクロノウサギをリメイクしては?」と提案されました。……が、クロノウサギはかなり長編。リスクがデカすぎる。
「短編のキミキメでどうでしょう?」と逆にこちらから提案をしました。先方もすぐ納得してくれた。
その後、何人かイラストレーターさんを紹介してもらい、いちばんイメージに合いそうな方をえらんで、依頼した。
イラストが、ほんとうに良かったんだとおもいます。
おかげで、GooglePlayで30万DLのプチヒットになった。
ただ……完全にうまくいったわけじゃない。
結局「新型ノベルエンジン」は使いませんでした。
なぜって、自分が「こんなノベルエンジンの出来じゃダメだ!」って、先方をつっぱねたからです。無数のバグをどうしても許容できなかった。
ベンチャー企業とは破談になって、べつのノベルエンジンを使うことに。イラストの依頼料はこちらで負担。
代替となったノベルエンジンは────「ONScripter」。
▼ ONScripter公式

現時点(2019年)でも、「安定性」という点でONScripterにまさるスマホ向けノベルエンジンはないとおもいます。それくらい完成度の高いノベルエンジン。
『キミはキメラR』は、いろんな「偶然の出会い」で生まれた良作でした。
「無印」をつくり、ベンチャーの社長さんが機会をくれて、イラストレーターさんに良い絵をかいてもらえて────仕事は破談になったけど、結果としてONScripterというより良いノベルエンジンをつかうことができた。
純粋に、出会いに感謝しました。
「アプリはいまどこ?」
キミキメRのアプリは、2014年に、表現規制でストアから強制削除されました。
30万DLの実績は、あっという間にパーになった。
このあたりからです。「プラットフォームに依存してはいけない」と、つよく思うようになった。
「商業で小説かいたの?」
いい出会いもあれば、わるい出会いもあります。
その象徴が、「KADOKAWA」との出会いでした。
▼ 散々たる結果はこちら

プロの小説家になるのが、子どものころからの夢でした。
KADOKAWAの悪評は、もともと知ってました。クリエイターを使いつぶし、ステマばっかりしてるヤクザまがいのクソ企業。
知ってたのに────「まやかしの夢」に飛びついてしまった。
予想以上に、クソだった。
当時は怒り狂って、完全にわれを忘れるほどでした。あの編集者ほど腐った人間をリアルでみたことがないし、KADOKAWAほど陰湿で邪悪な組織も間近でみたことがない。人生観がまるきり変わってしまうほどの、ショッキングな出来事だった。
「だれかと創作の仕事をすること」が、完全にトラウマになってしまった。
「R」制作時だって、ベンチャーの社長さんとすこしもめました。「バグを直してくれ」とお願いしてるうちに険悪になった。────KADOKAWA編集者との衝突は、それとはまったく形質がちがうものですが、脳裏によぎってしまう。
自分は「こだわり」が強すぎて、他人と創作の仕事ができないんじゃないかと。
新型ノベルエンジンのときは「バグ」が許せず、KADOKAWAのときは「ミス」と「不正」と「イジメ」が許せなかった。自分は、他人をあまり許せない人間なんだと。
偶然の「出会い」でできたキミキメは、このとき、終わりました。
終わった。
終わったんだけど────あきらめられなかった。
「Kindleストアで個人出版?」
KADOKAWA事件のあと、「Kindle」に目をつけました。
Kindle Direct Publishing────「KDP」。
KDPは、無料でカンタンに「電子書籍の個人出版」ができるサービスです。Amazon発。
「紙はおわり! これからKindleの時代だ!」って、KADOKAWAへの憎しみもあいまって、電子書籍にハマっていきました。
3年間で8冊。なかなかハイペースだったとおもいます。イラストもデザインもぜんぶ自分でやりました。
3年間の売上は、80万円ちょっと。……まぁ、単体じゃ仕事にはなりません。バイトしたほうがよほどマシです。
KDPは「創作で生きることのむずかしさ」を教えてくれました。
ただ、KDPには感謝してます。
「R」のときのように、「良い出会い」もあった。生まれてはじめて「オフ会」というものを経験して、同業者の方々と話すことができた。貴重な体験だった。世界がひろがった。
KADOKAWA事件で失った自信を、すこしだけ取りもどすことができた。
好評既刊
まとめ 「これからどうするの?」
キミキメは、完全にシリーズ展開に失敗した。
すでに失敗したものを、成功させたい────無理難題です。
でも、どうにかしてやりたい。
キミキメは、「人間のエゴ(愛)がつくりだした悲しみと、希望の物語」です。このまま終わらせたくない。エゴと悲しみだけではなく、希望にまでつなげたい。
一度失敗しても、インディーズなら、シリーズを継続させられる。
問題は「やり方」なのかなと。
また、なにをもって「成功」なのかも、考えていかないといけない。
長くなったので、ひとまずこのへんで。
以上「経緯編」でした。人生によき創作を────ではまたφ(・ω・ )
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