うっす、hoshimi12です。いつもお世話になっております。
前回「残念ながらKDP(Kindle Direct Publishing)はまだ全く盛り上がってないという話」を書いたんですが、どうも投げっぱなしに感じたので、一部撤回しつつ「これからどうなっていくんだろう?」という個人的な予測も書いておこうと思います。
■ 書き手と作品数はどんどん増えていく
当たり前っすね。それで問題は、「読み手が少ない」「さらに読み手が分散する」という点。現状ですら供給過剰、読み手不足が叫ばれていますが、なおさら足りなくなってくると思います。
KDPには利率30%と70%のプランがあるんですが、去年あたりから70%プラン(KDPセレクト)の選択ハードルがめちゃくちゃ下がったんですよね。前まではアメリカに七面倒くさい書類をFAXしないと免税処理できなかったんですが、それがなくなった。あとはKindleでの専売さえ約束すれば、ネット上のカンタンな手続きだけで70%プランを受けることができます。
ツール的な意味でも、今後ますますKDPの敷居は下がっていくでしょうし、そうなるとますます供給過剰になっていくでしょう。
■ ロングテールの傾向が強まっていく
KDPで面白いと言われてる点に、「ロングテール」ってのがあります。
(Wikipedia「ロングテール」より」
緑の部分が「ヘッド」、つまりは大ヒット商品ですね。黄色の部分が「テール」、大して売れてない商品のことです。恐竜の尻尾になぞらえてそんな呼び方がされてます。それで「ロングテール」というのは、この「大して売れてない商品群が総売上の多くを占めている」状態を指します。
KDPは、この傾向が顕著だと言われています。ちなみに自作品ですが、たくさんは売れてませんけど、じわじわ売れ続けてはいるんですよね。紙書籍と違い、「書店から撤去されることがない」という特殊条件も、KDPのロングテール傾向を生み出してる一因かもしれません。で、供給過剰になるほど、その傾向はますます強まっていく。
■ 小粒ヒットの積み重ねを狙うヒトが増えていく
利便性と低コストが売りの電子書籍で、一作に長い時間と宣伝費用をかけ、「大ヒット」を目指すことほどムズカシイものはないと感じます。遠い未来はわかりませんが、しばらくはユーザー数の伸び率もゆるやかでしょうし、上記のロングテール傾向もあります。なので、最低限のクオリティを確保した速筆な多産家がKDPでは強そうです。
ただし例外として、出版社からのスカウト待ちなら大ヒット狙いもアリかもしれません。どのみちバクチ要素が凄まじい気はしますが。
■ 怪しい自己啓発・スピリチュアル・グラビア本で溢れかえる
これはまあ、現状すでにそうなんですよね……。KDPランキング(Kindle先行・限定タイトル)の上位8割はそれらで埋まってます。
日本でKDPに真っ先に注目した層って、どうやら「ビジネス畑の人たち」のようで。もっと言えば「怪しい情報商材とかやってそうな人たち」でしょうか。
KDPアワード2014の受賞者は「沢尻エリカさんの元夫」「ハイパーメディアクリエイター」として有名な高城剛氏、つづく2015の受賞者は「フリーメイソン」「陰謀論、世界統一政府」とかで有名な苫米地英人(ドクター苫米地)氏でした。批判するつもりは全くないですが、いわゆる「怪しい畑の人たち」です。
繰り返しますが批判するつもりは全くないです。代案を挙げられませんし、KDPにはお世話になってますし、おそらく「ソッチ系を推したほうが日本では儲かる」というビジネスライクな判断でそういう運営方針なんでしょうから。
それで、この傾向はKDPの運営方針が変わらない限りずっと続くと思います。こればっかりはどうしようもないです。
■ KDP上位本のスカウト、紙書籍化が増える
先日、KDPで大人気になった小説『魔女の旅々』がGAノベルから紙書籍化されましたね。ああいう例が、すこしずつ増えていくと思います。
それに伴い、書籍化狙いで「小説家になろう」等のWEB小説投稿サイトに作品投稿してる人たちが、KDPに目をつけるかもしれません。そうなれば良くも悪くもめちゃくちゃカオスに盛り上がるでしょう。
KDPがそういうコンテストやっても面白いと思うんですけどね。……まるで気配ないですが。
■ 未来はある?
どんな未来かは知りませんが、あるっちゃあると思います。少なくとも、「KDPはもうダメだ!」って言い切るのは時期尚早っすかね。ハッキリ言ってまだ始まってすらいないです。始まる前に終わるのだけはカンベン願いたいですが。
KDP盛り上がれ盛り上がれ(^q^)
今回は以上です。より多様化したKDPの未来に期待しております。
ではまた!φ(・ω・ )