神を信じてきた。 信じる者は救われる、そう教え込まれてきた。 だが実際はどうだ。 神はいつまでも、我々をお救いにならない。 神に代わる存在が必要だった。 我々をお救いになる、より強い「何か」が。 そしておれは、ついに見つけたのだ。 彷徨う信仰心が歓喜し、再び蘇った。 しかし何故だ―― まだ、満たされない。 ◆ |
人と神への不信からひきこもった主人公――春原理科雄。 ある日、春原のもとへ怪しい妊婦がやってくる。 「あんたの遺伝子、ちょっと使わせてもらったから」 女は膨らんだ腹を愛おしげに撫でながらそう言った。 やがて春原は狂気の研究にまきこまれ、衝撃的な事実を知り、決断を迫られる。 |