キミとの出会いは、仕組まれた罠だった。 出会えてよかった――胸を張ってそう言えるだろうか。 僕はまだ悩んでいる。 キミとの出会いで、僕の人生の歯車は狂った。 キミのせいだとは思わない。キミのせいであるはずがない。 その手を離せば、元の生活に戻れるはずなのに。 キミのことを見ていると、どうしても手を離すことができない。 この想いは、同情心なのだろうか。 それともこの想いは―――― ◆ |
学校の教師になる夢を諦めた塾講師アルバイト――秋山義文(あきやまよしふみ)。 ある日の帰り道、「家庭教師として引き抜きたい」と、不審な女から誘われる。 その給与は破格であり、奨学金返済に苦しんでいた秋山は、家庭教師の仕事を受けることにした。 教えられた住所を頼りに辿り着いた場所は、「生命科学総合研究センター」という怪しげな研究所。 一室に案内され、秋山は少女ハマルと出会う。 やがて秋山は、ハマルに関する衝撃的な事実を知り、決断を迫られる。 |