30越えても戦えるか

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 30歳を越えてなお、「上手いことやって楽したい」って考え方ではなく、「もっともっと上手くなりたい」って考え方をしている人は、本当に尊敬する。
 自分はまだ25の若輩だけど、そういうオッサンになりたい。
 年を取って向上心を保ち続けるっていうのは、並大抵のことではないと思う。
 やっぱりどこかで「衰え」や「疲れ」を感じて、楽な道を探そうとし始めるのが常だと思う。
 年齢の影響をモロに受ける格闘ゲームとかだと、如実にそういう傾向が見て取れるっぽい。
 20代ではトッププレイヤーでブイブイ言わせていた人が、30代になって反応とかが明らかに悪くなりはじめたり、「いい大人がゲームなんて」とか思ったり、仕事とかの兼ね合いでゲームのやりこみができなくなったりする。
 そうなると、「もう自分はトップじゃなくても、楽しんでゲームができればいいや」ってなって、第一線から退く。
 至極当然のことで、別に批判するつもりはないし、自分はもっぱらザコの動画勢なので偉そうなことも言えない。
 ってか、ただ格ゲーで例えただけ。

 自分の場合の世界は、創作の分野。
 大学入ってパソコン手に入れて、それからポツポツと小説を書き始めた。
 「小説の書き方」みたいな本を何冊か買って、勉強した。ぶっちゃけあんま役に立たなかった。
 初めて書いた(挫折した)小説の日付が2007年7月頃。
 今から五年前だから、だいたいハタチの時から書き始めた感じか。
 はい、かなりの遅いスタートっす。
 プロの小説家とかでハタチ過ぎてから書き始めたなんて人、ほとんどいないんじゃないだろうか。
 成人する前はまったく小説なんてもんは書いたことがなく、でも「なんかつくりてー」って漠然と思ってた。
 小学生の卒業文集では将来なりたいものに「スポーツマン」って書いてあったけどな。

 子供の頃はゲームがとにかく大好きで、はじめの内は「ゲームクリエイターっておもしろそー」とか思ってた。
 でもなんか、いろいろ調べていく内に「ゲームクリエイターって具体的になんだよ……」って思い始めて。
 音楽はムリ、絵もムリ、プログラミングもムリ。
 御多分に漏れず、消去法で「シナリオライター」っていうのに興味を抱いた。
 でもその最中に、「コンシューマのゲームシナリオって、クソなのばっかだな」と思い、興味がシュルシュルと萎んでいった。
 それでPCゲー、つまるところのエロゲーシナリオに興味を抱いたけど、「なんで必要のないエロを書いてるの?」と元も子もない疑問を抱いて、エロゲーシナリオライターへの興味もシュルシュルと萎えていく。
 じゃあラノベ書こう!! って思ったけど、「最近のラノベまじつまんねーな氏ね」って思い始めて、ラノベへの興味もシュルシュルと。
 企業に属してシナリオを書くっていう形態も、なんか違うような、と思った。「えっ、自分の書きたいもん書けるんじゃないの?」って。

 じゃあ何すんの? って思い悩んだ。
 思い悩みながら、「とりあえず勉強はしておこう」と思って、サイト立ち上げてサウンドノベルを作り始めたり。
 その頃は『ひぐらし』とかが全盛で、御多分に漏れず影響を受けた。サイト立ち上げたキッカケは『ひぐらし』と型月作品。
 『ひぐらし』の盛り上がりをネットで見ていて、「アマチュアからのし上がるとかマジかっけーー!!!」って一人で興奮していた。
 羨望を抱きつつ、モヤモヤとしたものを抱きつつ、コツコツとネットでの創作活動をし始める。
 紆余曲折ありつつ、四年。

 「フリゲ」というものに興味を抱いたのは、シルバーセカンドさんの『シルフェイド見聞録』を中学生(?)の時にプレイしたのがキッカケで。
 大学に入って久しぶりにシルバーセカンドさんを覗いたら、「おお! まだサイトやってるー!」って驚いた。同時に、なんか嬉しかった。
 もっと驚いたのが、「フリゲ界の大御所」となっていたところ。シルフェイド見聞録だけの人じゃなかったんだと、失礼な驚きがあった。
 シルバーセカンドさんは1998年にサイトを開設して、今年でたしか13周年。
 13周年とかヤバすぎだろ。狼煙さんは何者なんだと。まるでリアルが読めないお人である。
 というわけで、サイトの運営的な意味では、俺はシルバーセカンドさんを目標にしている。
 あっち13年。こっちまだ4年。
 シルバーセカンドさんを見てて、「ああ、とりあえず10年くらいは続けないとダメだな」と思った。

 スタゲが10周年の時、俺は31歳である。
 その時の自分のことを、よく考える。
 一生懸命勉強してそこそこの大学を出ておいて、就職せずにフリーターになり、部屋に篭ってシコシコと書き続ける日々。
 恋人も出来ず、友人と会うことも稀で、実家に寄生し続ける。
 31にもなれば体力は落ちてきて、自然と精神力も落ちてくるかもしれない。
 そうでなくてもいろんな現実を突きつけられて、果たして向上心を持ち続けられるか。

 目標は何か、とよく考える。
 「生産性」、といつも思う。
 「書く」ことをそのまま職業にしたい。
 でも、端金のためにしょーもないシナリオを量産するようなしょーもない仕事にはしたくない。
 「シナリオは芸術じゃなくて作品の歯車の一部に過ぎない」なんて言うシナリオライターがいる。
 そうじゃねえだろ、と思う。
 自分が書いてる文章を「芸術だ」って思って何が悪いんだと。
 「俺の書いてるシナリオは工場で量産された歯車と一緒だよ」なんて、そんな風に思いながら文章書いてて虚しくねえのかと。
 というか、十中八九そんなシナリオはつまらない。

 短期的、経過的、具体的な目標を挙げるなら、ユニークアクセス数をもっと増やしたい。
 自分は、サイトのアクセス数は血液みたいなもんだと思ってる。
 血液の循環していないサイトは、死んでいるのと同じだと。
 一瞬だけの花火みたいにアクセス数が上昇して、しばらくしたらまったく更新しなくなって、ずるずるとアクセス数が下がっていって、それは死んでいるのと同じだと。
 「うちのサイトは生きてますよ」という証明に、アクセス数を稼ぎたい。
 キミキメRを出すまでは50くらいを行ったり来たり。
 現在は250くらいを行ったり来たり。キミキメRは、本当に運が良かった。
 これをいずれ3000にしたい。
 まあそれは遠い未来として、近い目標としては500を目指している。
 じゃあどうやってアクセス数を増やすんだって、コンスタントに作品を供給して、コンスタントにブログを更新して、生き続けるしかないと思っている。
 もちろん、「増」に繋がるような作品を供給しなければ、アクセス数は一定のまま、もしくはジワジワと落ちていく。

 「金を稼ぐ」というのは目的じゃなくて、「継続」のための「手段」だと思っている。
 自分は一生創作活動をしていたいので、継続のためにも、どこかで金を稼ぎたい。
 今は創作関係の収入はゼロで、制作費も全てバイト代で賄っている。
 善意ではない「無償の奉仕活動」をし続けている。
 それは何故かって、無料コンテンツで人を呼んで、いつか「生産性」に繋がることをしたいから。
 バイト代を制作費に注ぎ込んでいるのは、先行投資。
 刹那的な赤字なんて、どうでもいい。

 戦い続けるには、たくさん勉強しないといけない。
 内包している「ネタ」は、必ずどこかで尽きてくる。
 「思想」という漠然としたものでさえ、尽きてくる。
 思想とは知識であって、知識を蓄え続けなければ、作り続けることはできない。
 同じような作品をずっと作っていたって、必ず飽きられるし、本人だって飽きてくる。
 常に成長し続けるための簡単な方法は、とにかく雑多な知識を頭に入れ続けることだと思っている。
 「体力」に終わりはあっても、「知識」に終わりはない。
 入れたら入れただけ、自分の知識は積み上がっていく。
 年をとってもそれは変わらない。人間の脳は、ずっと知識を入れられるようになっている。
 それをずっと繰り返して、ずっと作品を供給し続けたい。

 なんで作品を供給するのか。
 「自分という存在をより多くの他人に認めさせたい」
 「世の中のシナリオがクソつまらないから俺が面白いものを書く」
 「死ぬまでに名を残したい」
 などなど、フタをあけてみれば実に厨二病的な動機です。
 でも一生、こんな動機だと思う。

 今年、けっこう書きあぐねた。
 でも長い目で見たら、必要な一年だったのだと思う。
 書きあぐねていたけど、絵の勉強はしていたし、いろんな本は読んでいたし、リアルでもいろいろあったし。
 そういうジリジリとした努力を、これからずっと続けられるか。時にはそれ以上の努力をすることができるか。
 5周年、10周年、20周年、続けられるか。
 続けたとしたら、その頃は何をやっているか。

 努力はし続けるものだけど、努力には変化が必要になってくる。
 ずっと同じ努力をしていたって、「上」を目指すことなんて絶対にできない。
 「楽しめればいいや」なんて生温い感情だけじゃ、才気ある人間以外は上を目指せない。
 すぐに結果を出せるのは運の良い人間と、よほど才気のある人間だけ。
 自分みたいな凡庸な人間は、何年も継続して努力して、そういう人たちを追い続けるしかないと思っている。
 有り体だけど、座右の銘は「継続は力なり」。
 凡庸な人間は、継続を力にするしかない。
 近道なんて、大抵は胡散臭い。
 本当にそれが近道だったら、運が良かったねって程度で。

 誰が何と言おうと、続ける。
 いずれ炎上させられて袋だたきとかに遭いそうな気もするけど、それでも続ける所存。
 年取って、痛々しく思えてどんどん息苦しくなっても、続けたい。
 幸い、環境には恵まれている。心の中で謝りながら、いっぱしに金を稼ぐまでは寄生させてもらう。
 常に自己嫌悪と焦燥感でヤバイけど、今さら後になんか引くもんかと。
 とにかく、健康には気をつけたい。
 早くに病気や事故で死んだら、死んでも死にきれない。
 焦りすぎても精神おかしくするので、気長にやりたい。
 でも、努力は怠らないようにしたい。
 30越えても戦い続けたい。

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