2020年3月現在、YouTubeでは「ライブ配信をスタートしても検索にのらず、トップにも表示されず、チャンネル登録者にも通知がいかない」という障害がおきています。
ただ一部のチャンネルは、いつもと変わらず配信できている。
以下、障害についてのまとめと考察をしていきます。YouTubeからの情報公開がほとんどない今、推測もふくまれているのであしからずです。
「大手のほとんどは配信できてるよね?」
大手のチャンネルのほとんどは、通常どおり配信できています。
「大手」の定義は「登録者1万人以上」で、AIに信頼されていること。
大手でも障害にみまわれたチャンネルはありますが、とても限定的で、後述の「配信ガチャ」でクリアできるヒトが多かった。弱小は配信ガチャでもまず回避できません。
「配信ガチャ? バグ回避の方法があるの?」
この配信障害が話題になったとき、「配信ガチャ(枠ガチャ)」と呼ばれるテクニックで回避できるとウワサになりました。何度も配信枠をとりなおして、検索表示される枠をつくりだし、そこで配信をすると。
結論からいうと、配信ガチャの効果は限定的です。
すでに「対策された」といってもいいかもしれません。
弱小チャンネルが配信ガチャをして、検索表示される枠をつくりだしても、配信した途端にふたたび表示されなくなる────という現象がおきています。
これはむしろ、「配信ガチャ」のほうがYouTube AIにとって意図しない「バグ」であり、それを即修正しているかのような挙動です。
「トラフィック制限?」
▼ コロナ禍で混雑するYouTubeネットワーク

コロナ禍で自宅待機するヒトビトがふえた結果、YouTubeのトラフィック(ネットワーク負荷)が急増しました。
結果、YouTubeは画質を下げるなどの対策をしたのですが、それでも3月27日に日本の配信サーバーが止まるというパンク状態におちいりました。弱小も大手も、一部をのぞいてほとんどが落ちました。
そのなかで起きている「配信バグ」。
結果としてYouTubeのトラフィックを制限しており、ネットワークの負荷を抑えている。
「なぜ大手だけOKなのか」
大手のほとんどが障害を回避できている理由。
“ライブストリームを含め、どのコンテンツが宣伝されるかについてもより慎重になります。場合によっては、未確認のコンテンツは、検索、ホームページ、またはおすすめで利用できない場合があります”
▼ YouTube公式ブログ(英語)
Protecting our extended workforce and the community
これは「コロナで人員が減ってAIまかせにしてるから、慎重になっているよ。〝未確認のコンテンツ〟は表示させないよ」ということです。
そしてこの未確認のコンテンツというのが、「大手以外」のことです。
登録者数が1万人以上で、YouTubeのAIにとって信頼性の高いチャンネルは「安心なコンテンツ」。それ以外のチャンネルは「未確認のコンテンツ」。
つまりこれは、バグではなく仕様として、YouTubeが宣伝するコンテンツ(配信)を制限しているわけです。むしろバグは「配信ガチャ」による障害回避テクニックのほうだとおもいます。
理由についてはボカした書かれ方がされているので、「コロナのデマを回避するため」「トラフィック制限のため」「人員削減のため」などなど、いくつもの理由でうけとれます。
「じゃあ弱小はどうすりゃいいの?」
YouTubeとしては、「いまは弱小チャンネルは配信しないでほしい」が本音だとおもいます。
コロナのデマを広げられても困るし、ネットワークを圧迫されても困るし、人員不足で対応もできないから困るし。
個人的な結論としては、「弱小チャンネルはコロナ禍がおさまるまで別の作業をしたほうがいい」。
表示も通知もされないので、配信してもふだんの10分の1程度しかヒトが集まらない。新規もこない。メンタルの面でもなかなか厳しいです。
この機会にべつの配信サービスをつかったり、動画編集をしたり、ゆっくり休んだり────
うまく「やりすごす」。
まとめ「いざという時」
正直、今回のYouTubeの対策は「イヤな対策だな」と感じます。
混乱をさけるために、弱小を犠牲にして、大手だけを救う。
YouTubeはそれを否定するとおもいますが、結果としてそうなっている。大手以外は「未確認のコンテンツ」。確認できないものは、フタをする。
この障害そのものは、徐々に回復していくとおもいます。
ですが「YouTubeのAIの思想」に、「いざとなったら弱い者は捨てる」という効率主義がふくまれていることは、だれもが知っておくべきかもしれません。
べつにその思想自体は否定しません。
構えるべきは、ユーザーのほうでしょう。
今回は以上です。よきインターネットライフを────ではまた🐺