「ストーリーや物語の本質についての感想を求めることは難しいんじゃないでしょうか」【返信】

Name : 川場託 さん
Title : 心配しています

★最近の傾向について

最近のブログで絶望をにおわせる文章がいくつか見られ、心配しております。
むしろ、健康的な意味で。
ですので、本文も読んで気分を害したならば途中で読むのをやめても結構です。


★感想を求めることの難しさ

ストーリーや物語の本質についての感想を求めることは難しいんじゃないでしょうか。
世の中でファンレターを書くなどの行為をする人間はごく一握りのように思えます。
そもそも、感想を書くという行為自体が難しい。
学校の宿題の読書感想文を思い出してみてください。押し付けでやらされているという面を抜きにしても、ハードルの高い作業であることは否めないのではないでしょうか。
たとえ、本質的なことを見抜いていたとしても、です。
そんなことはまず書いたり告げたりしない。
物事を言語化するというのは思いのほか難易度が高いと思います。わたしも読書感想文をブログにアップするなどしていますが、ろくに書けやしない。もう何年もやっているのに。
勢い、感想めいたことを書こうとすれば、キャラクター性に触れたりエロスに触れたりと、表現しやすいところに飛びついていかざるを得ないのだという面も、一面ですがあるように思われます。
ストーリーの面白さを人に言うなんてかなり難しいと思います。
友達と最近見た映画について話すときなど、たとえば『ボヘミアン・ラプソディー』の感想を言おうとすれば、表現力がない限り、
「仲の悪かった父親と最後は和解するんだよ」
「ふ〜ん」
となるなど、よほど多弁で話術がないと難しいのではないでしょうか。
この例はひどいにしても。
ネット上で言えば、文章力ということになりますか。
先日の機能的識字率の記事に関連するかもしれないですけど、感想の読み書きのある能力については、自己についてよほど分析的でない限り難しいのでは。
気づいていても表現する能力がない、という可能性だってあるように思います。

 

ストーリーの本質について感想がほしい────というわけではないです。もらえたらうれしいですが、ムリだとは自分でもおもってます。


感想をくれるヒトには素直に感謝しています。とくに、自分宛におくってくれるヒトには。「だれかに向けた言葉」として、ひとつの文章をしたためてくれた。それだけでものすごくうれしいです。


それとは別に、「みんなストーリーなんてほとんど見てない」という点で、萎えています。


具体的にいうなら、デザインや音楽、口コミ重視だということ。ほかが良ければ、ストーリーも良いとかんじる。「なんとなく」「ふんいきで」、言語化できないから、ストーリー以外で感動したものを、ストーリーで感動したと錯覚する。また、みんなが面白いといっていたものを、つられて自分も面白いといってしまう。社会心理学のカモ。


そういう人間たちが日本の大多数を占めるんだな、これからドンドン増えていくんだなとおもって、すこし萎えた次第です。


「言語化できない」というより、「言語にしようとも思わない」。そうなったらもう、ストーリーの時代はおわりです。


自分だって文章はまだまだヘタクソです。でも上手くなろうとしている。────その努力が、ムダになるかもしれない。このまま、人間が「識字」から遠ざかってしまうなら、文章をしたためる必要性がなくなってしまう。読む人がぜんぜんいないのに、書いたってしかたない。それがものすごく悔しいわけです。

 

 

★見てもらえないことについて

以前、宣伝は嫌われるからあまりやりたくない、と書かれておりましたように覚えております。(思い違いだったらゴメンナサイ……)
となると、スタゲ作品に触れた人がTwitterで拡散するなりブログに書くなりに期待するしかなくなるということになりますが、それは感想を書くという行為が過程に存在する以上、前項の問題が立ちはだかることになります。
だったらどうしろっていうんだよ、と言われるとわたしにもわかりません。広める方法をアドバイスできる能力も資格も欠如しています。
ですが、入り口が人目に触れない限りやってみようとは思わないのではないでしょうか。
ある程度の宣伝は、程度問題ということで、必要ではないかと想像します。
もっとも、わたしの勝手な意見なのですが。
それこそ、「創作は受動的」ということになりますか。

 

宣伝は、すればするほど萎えますね。


宣伝をすればするほど、「冷たい反応」を肌でかんじます。広告や宣伝にたいする嫌悪感って、異常につよいです。自分だってそんな好きじゃない。


ただ、宣伝はしていたつもりです。電子書籍を発売すれば告知するし、サウンドノベルを更新したら告知するし。


そのうえで、「こんなもんか……」とおもいました。


TwitterでいいねRTされるのは「イラスト」中心です。「ストーリーなんて見てないじゃん」とおもってしまった一因が、まさにTwitterでの宣伝活動でした。ストーリーへの感心のなさ。タイムラインの話題といえば、ソシャゲやバーチャルユーチューバー。なにより『キミはキメラR』ユーザーの大多数が、その傾向だった。


宣伝方法は、いつも模索しています。


ほかの個人サークルよりはよほど頑張っているつもりですが、なかなかむずかしいですね、マーケティングって。

 

 

★そもそもストーリーって

ストーリーとは一体何でしょうか。
はじめにこれこれこういう状況があって、それが次にこう転がって、最終的にこうなって……、という連続性のことを意味しているのでしょうか。
構成のことを意味しているのでしょうか。
前者であれば、まだるっこしくてそのことを口にはしないでしょう。
後者であれば、職業的技巧ということで読み手が口にすることではないでしょう。
ここでは連続性を意味しているということにして話を進めますが、前に書いた通り、連続性を言うには表現力が求められることになると思います。
何か、手軽に連続性を表現するツールなどあれば面白いんじゃないかと思うんですけれども、世の中にそういったものはあまりありそうにありません。
何しろ今の世の中は一瞬一瞬を切り取ることばかり。
連続性に感動したとしても、表現するすべがないから、この女イイオンナ! 程度のことしか言えないのだと思います。
まあ、連続性を理解する能力が落ちていることも否めないとは思うのですが。
わたしだって人のことは言えない。
日々の忙しさ、真夜中に会社からお呼ばれしたり、趣味に没頭したり、なんてやっていたら、連続性を気に掛けることは難しいと感じます。
まして、感想を書くなんてめったにしない。
瞬間瞬間でわからせてよ! と思ってしまうのもうなずけないでもない。
繰り返しになりますが、IT技術が進歩して、連続性が表現できるツールができればいいとは思うんですけどね。


★終わりに

いろいろ勝手なことを書きました。申し訳ありません。もし気を悪くされたならゴメンナサイ。色々的外れなことも書いたと思います。

ともあれ、クロノウサギはモノリス川ポチャまで待っています。
健康に気をつけてください。肉体的な意味でも、精神的な意味でも。

 

ストーリー」の解釈は、詳細にかくと長くなるので、一部だけ。


「連続性」というか、「話の筋がとおっているか」。これはスゴく大事だとおもっています。「なんでコイツこんなことしたの!?」ということに、筋のとおった理由があるのか、背景があるのか。ガチガチに論理的でないにしろ、筋がなければ、ストーリーは支離滅裂です。「なんとなく」というのも、理由といえば理由ですが、そればかりじゃ読者は納得できない────本来なら。


借り物でない話か」、これも重要視しています。パクリとか、ウィキペのコピーとかそういうことじゃないです。「登場人物が思ったことを、本当に書いているのか」。たまに、他人のキャラクターを「記号」のように感じることがあります。まるで生きていない、無機質な記号としてのキャラ。どこからか借りてきたような、都合のいい、聞いたことがあるようなことしか言わない。なぜかそこにはいない「読者」のほうを向いて語っている。語り合っているのはキャラとキャラのはずなのに。「他作に影響をうけた」とかいう以前に、筆者が自分の言葉で書いていない。生きた人物を書いていない。「こういうキャラがウケるんだろう」「こういう展開がウケるんだろう」、そればっかり。魂で書いていない。そういうのは、ストーリーじゃない。すくなくとも自分はそう思ってます。


他にもいろいろ、「ストーリーとは何か」について考えていることはありますが、とりあえずこの2点をあげておきます。


ストーリーはたしかに、言語化がむずかしいですね。むずかしいから、みんなドンドン離れていく。むずかしいのがおもしろい────そういうのは、この時代には合わないのかもしれない。わかっちゃいるんですけど、さびしくおもえてしまう。


なんとか、時代に適応しようとはおもっています。


投げやりに創作をつづけるんじゃなくて、ちゃんと未来あるものをつくりたい。「長文はオワコン」「1億総文盲社会」────わかった、じゃあ合わせようと。ただ、自分にも「こだわり」があるんで、バランスがむずかしいんですよね。


いま思ってるのは、「一作50000字くらいがいいのかな?」と。


映画1本がそれくらいの文量だとおもうんですよね。人間の集中力は、せいぜい2時間弱しかもたないだろうと。それくらいの文量だったら、多少は「感想」も出てきやすいのかなって。おもえばキミキメRも短編でしたし、電子書籍で一番感想がおおい『隠遁者の夜明け』も短編でした。長編シナリオは、もうしばらくやめようかなと。


お手紙ありがとうございました。いろいろ思考を整理する良いキッカケになりました。


体調は、じつはけっこう良いです。


さいきんは創作を休んでいたんで、体力的にはラクでした。ブログ記事のほうがよっぽど気楽なんですわ。気楽ゆえに、ブログは創作より物足りないんですけどね。


ご心配ありがとうございました。創作については、正直かなり萎えてます。なかなか成果もでませんし。クロノウサギRだって「努力にぜんぜん見合わねぇ……」っておもいます。結局、得られるものはハテナですし。


今後も気長にまったりやっていくつもりです。冬の季節、おたがい寒さには気をつけませう。ありがとうございましたm(_ _)m

 

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