オワコン出版業界の未来へのポジティブな5つの予想

 

hoshimi12です、いつもお世話になっております。


最近いろいろ「出版業界」が話題ですね。ただ──ネガティブな話題ばっかりです。不況だの漫画村だのブロッキングだの未払いだのクソ編集案件だの。あげくユーザーから聞こえてくる声は、同情というより、「自業自得だろ」「業界の怠慢」「さっさと潰れろ」みたいな厳しいものばかり。


正直自分も、「既存の」出版業界はクソだと思ってて、一度さっさと崩壊して健全な業界に生まれ変わってくれないかなぁと期待しています。


以下は、溢れかえる出版業界へのネガティブな予想を超えて、「逆にポジティブな予想をしていこう」って話です。


先に結論をいえば、「作家の自立&自律」「中抜きによるコスト削減」「読者の利便性向上」「書店の複合施設化」「本がより身近な存在に」という5つのポジティブな予想です。

 

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自律する作家がふえる

 

最近、「作家からの暴露・告発」がほんとうに多いですよね。クソ編集のパワハラだとかセクハラだとか、原稿料未払いだとか、原稿改竄だとか。これって裏を返せば、「作家が勇気をもって発言できる環境ができてきている」ってことです。


ブログやSNSの活用がそうです。何十年も前だったらそんなものはなく、作家は出版業界でどんな酷い目にあっても、まず告発なんてできなかった。最近のさまざまな暴露話は、単に「昔から出版業界にはクソ案件が腐るほどあったけど、作家が声をあげられなかっただけ」なのではと思います。


一部の単なるヤケクソで告発する作家はともかく、ほとんどの作家は「出版社に依存せずとも勝算があるから告発する」わけです。これは素晴らしい環境の変化です(出版社にとっては素晴らしくないと思いますが)。


実際、「出版社から紙の本を出す」以外にも、いまは「同人イベントで頒布する」「KindleやBOOTHやnoteで公開する」「ブログやTwitterで連載する」などなど、さまざまな作品の公開方法があり、なおかつマネタイズの手段もふえてきています。(また近ごろでは、出版社が自社費用で宣伝せず、作家に宣伝をまかせきりという実情があります)


「既存の出版業界が不要になる」というのは、逆にとてもポジティブな話なのではないでしょうか。

 

 

中抜きはハッピーなことだ

「取次不要論」「出版社不要論」「編集者不要論」「書店不要論」、いろいろありますが、ようするに「電子書籍は中抜きによって成立する」という話です。

 


「作者-ストア-読者」というシンプルな構造に。

 

上の画像のとおり、電子書籍(Kindle)の場合、多くの仲介業者が不要になります。結果、「作者と読者の距離」が縮まり、同時にさまざまなマージンが浮きます。印税ウンヌンに関していえば、日本の商業出版では5~10%ですが、個人でkindleで出せば最大で70%になります。


もちろんその分、作者の作業量はふえますが、ロイヤリティもふえるのでドッコイドッコイかそれ以上のメリットです。「自己管理できない」「執筆だけに集中したい」という作家の方は、各自エージェントでも編集者でも抱えればいい。


読者にも大きなメリットがあります。仲介業者がへることで、本は安くなるし、すぐに書籍が手に入るし、ひとつのストアだけ見て回ればいい。利便性が大きく向上します。


「それじゃ既存の出版業界が滅んじゃうだろッ!」ってご意見もありそうですが、それは「自業自得」「時代の流れ」で済む話です。また、規模こそ縮小しても、既存の出版業界もなんらかのカタチで生き残っていくと思います。紙の本は、一定の需要を維持し続けます。


出版社も、近ごろ取次会社を中抜きし、ストアと直接取引する動きが出てきています。

 

 

本はどんどん便利に

 

電子書籍、便利ですよね。もちろんまだまだ不便な点はありますが、紙の本より利便性で劣ることはありません。タップひとつで購入できるし、あらゆる端末と同期共有できる。Twitterに抜粋載せたり、スクショも取り放題。よく「電子書籍は所有できないッ!」という方がいますが、むしろ所有のレベルは紙より上だと思います。


仮にストアが消失しても、どこかの企業がサービスを引きつぐか、あるいはしっかりと補填があるはずです。もしよほど心配だったら、個人でスクショなりデータ化して所持しておけばいい。紙の本にしろ、家の本棚が突然焼失する可能性だってあるわけで、リスクを言い出したらキリがない。また、ストア消失の実績をひたすら積み重ねているのは日本の企業なので、安心安全に使いたい場合はKindleストアを使えばいいのかなと。


「電子書籍はちょっと苦手……」というのは、ただの慣れの問題です。ネット上でブログ読めてる時点で、電子の文章が読めないということはありえません。ただ、電子書籍は端末サイズに大きく依存するので、そこの工夫は必要かもしれません。電子書籍のハードユーザーの中には、「小説」「マンガ」「実用書」ごとにスマホ・タブレット・PCを使い分けている方もいます。


電子書籍、とくに中高年にはもってこいなんですよ。自在にフォントサイズ変えられるんで、いちいち老眼鏡つかう必要性も薄れます。


便利なサービスも増えるとおもいます。Amazonが「Kindle Unlimited」とか「Prime Reading」みたいな読み放題サービスはじめてますし、これからどんどん対応冊数も増えていくはず。お金のない子どもや学生用に、激安サービスや無料サービスもどんどん増えるはずです(Amazonに限らず)。


誰でも手軽に気軽に本を読める時代が、すぐそこに来てる。

 

 

書店の淘汰と創意工夫がはじまった

 

書店の閉店ラッシュ、すごい勢いです。ですがこれも、裏を返せば「淘汰」であり、進化の準備なのでは。


蔦屋書店を筆頭に、書店の複合施設化が進んでいます。自分の地元にもひとつあるんですが、若い親子連れでいつも賑わってます。カフェがあったりコンビニがあったり企業ブースがあったり、料理教室、自転車屋、おもちゃ屋、なんかもういろいろ入ってます。歩いてるだけで楽しい。


他の書店も、カフェを併設するところが増えました。今までの書店ではあまり見られなかった、明らかな変化です。


「ただ本を売ってるだけの書店」が、時代に追いつけず、どんどん潰れていってる──ただそれだけの話なのでは。結果として、ユーザーはさらに便利で楽しい「体験」をもたらしてくれる書店と出逢える。それはいうほど、わるいことなんでしょうか。

 

 

品質の低下はさしたる問題じゃない


よく「出版社不要論」「編集者不要論」で付属してくる反論に、「そんなことしたら本全体の品質が落ちちゃうだろッ!」っていうのがあります。これ、そんなに重要な問題ではないと思います。このご意見というのは、「本というのは高尚で知的で……」みたいな先入観ありきであると認識しています。


今時、YouTube動画やブログ記事やTwitter投稿の「品質」に、「全体の品質の低下の懸念がー」とかいう方、そんなにいないですよね。ネット時代は「粗製濫造」「玉石混淆」が当たり前。粗があって当たり前。そのなかで己の検索能力を駆使して、「一部の輝き」を集めるのがネットだと、わかってる方はわかってるわけです。


「本」はようやく、「なんとなく高尚で知的」「紙の本の温もり」みたいなアヤフヤな地位から、「YouTube動画やブログ記事やTwitter投稿くらい手軽で身近なもの」におりてくるんだと思います。漫画村が流行りに流行ったのも、その一端だった。


本全体の品質が落ちてもダイジョウブです。Kindleストアに低クオリティの個人出版本が溢れててもダイジョウブです。ただ、「粗製濫造」「玉石混淆」というネットの摂理に、ようやく業界が追いついてきただけです。また、もとより本というのは、そういう性質のものであったと感じます。

 

 

オワりに

 

古いものが廃れるのは、哀しいことです。でも哀しいことだけじゃないのは、身の回りの幼い家族や、若い友人をみていればわかると思います。


出版業界は次の段階にシフトしつつあります。それは決してドン詰まりの暗い未来ではなく、カタチや仕組みは変われど、新鮮で輝かしい世界であると願いたいです。「もうダメだ……もうオワりなんだ……(変わる努力はしないけど……)」と業界全体で言いつづけるだけなのは、本当によくないと思います。


以上、ひとりの本好きによる意見でしたφ(・ω・ )

 

オワ婚
柴崎竜人
幻冬舎
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